朝食用のものだろうかソーセージをつまみに炒めてくれた。あとスナック菓子をつまみに僕らは晩酌を始めた。
「乾杯!」
「何に乾杯?」
「んーなんにしましょ」
「二人の出会いに?」
「いいね。乾杯!」
「乾杯!」
俺は生まれて初めてビールが美味いと思った。そんですぐに真っ赤になってしまった。酔っ払うってまではいかないけどかなり上機嫌であり、それは彼女も同じであった。
「波野くんさー」
「はいぃ?」
「かのじょいんのー?」
「いねえっすよー」
「なんでいないの。」
「なんで言われても・・・」
「すきな子いんのー?」
脳裏に同じ高校の子が一瞬浮かんだが一瞬で消えた。
「いねえっすよー」
「なんでいないの。」
「なんで言われても・・・」
彼女はケラケラ笑った。この笑顔は凶器だ。俺はもう完全に串刺しにされていた。
「ねーさんはカレシとかはどうなんです」
「波野くん。彼氏いる女は他の男を部屋に上げちゃいけないんよ?」
「なるほど」
「彼女いる男は他の女を部屋に上げちゃいけないんだよ?」
「えーっと。もう酔ってます?」
「酔ってる」
「ありがとね」
「なにがです」
「カレー食べてくれて」
「お礼を言うのは俺の方だと・・・」
「ありがとね」
「なにがです」
「バイト代わってくれてさ。やさしいよねー」
「あれはまあその別に優しいとかじゃなくて、ねえ?」
彼女は結構メートルが上がっていた。
俺ももう少しメートルを上げたくてビールを飲んだ。
つづいちゃうよ?