横浜FCと横浜FCと横浜FCとあと横浜FCなんかに関して書いたり書かなかったりします。ほかの事を書くこともあります。
by naminos
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十三日間日本一周 drive14 3rd day 焼酎エクスプローラー
トンネルと抜けるとそこは市街地だった。
郊外がなくいきなり市街という点では少し長崎ににているかもしれない。渋滞もしているし。
先は詰まっているようなので最初の信号で左折した。
鹿児島の市街についてまったく予備知識がなかったので、どこをどう行けばいいのやらさっぱりわからない。桜島を見るってこと以外何も考えていなかったのだ。
しばらく道なりに進むと小さな酒屋があった。

路肩にクルマを止めて店内へ侵入。店主が「いらっしゃい」と声を掛けてくる。中央につまみなどが置かれた棚。左奥にはショーケースの冷蔵庫。ビールや缶チューハイ、冷酒などが収められている。右の棚には贈答用だろうか、日本酒や焼酎が並んでいる。
ざっと探してみるが森伊蔵も魔王も見当たらない。
一応店主に聞いて見るが「もうないでごわす」とつれない返事。
「じゃまた」と店を出る。

またクルマを進めると逆側に酒屋らしき店舗を発見。しかし営業していないようで灯りもついていない状態だ。降りるだけムダなのでスルーして先へ。

またしばらく行くと、先ほどの店舗よりさらに小さい酒屋を発見。営業もしている。クルマを止め店内へ。
すると目の前に「魔王」の文字が。おお、あるじゃないか。
だが他の酒と縄でひとくくりになっていて8000円と書いてある。
抱き合わせかよ!
8000円じゃ別れた女への土産にしてはあまりに予算オーバーだ。悩む。
店内を回るが、他に魔王はない。店主に聞いて見るが「それで最後でごわす」とつれない返事。単品で売ってもらえないかと弱弱しく聞いてみは見たが「それはやってないでごわす」とのこれまたつれない返事。
時間は6時を回っていて、店主からは今にも閉店しそうな気配がビンビンに伝わってくる。他を回って戻ってきてもここはもう閉店後だろう。それに他で見つかる保証もない。そもそも酒屋自体が全部閉まってしまったらどうしようもない。
仕方ない。買おう。
あきらめて店主の言いなりに8000円で抱き合わせ商品を買う。無念ではあるが、土産物としての迫力は増したのでそこはよしとするか。贈答用に包んでもらう。後日談になるが、俺は結局これを飲めずじまいだったので非常に悔やまれる。一番美味い物は自分のために買うべきなのだと痛感した次第である。が、この時はまだ芋焼酎の美味さに目覚めていなかったので判断を誤ったとしても自分を責められないのもまた仕方のないことではある。

さて。探す焼酎はまだある。実家への土産用と自分用である。
もうさすがに抱き合わせモノを買うわけにもいかないのでハーフボトルぐらいで適当なものを買っていこう。
魔王を買った店は市街でも外れの方にあることは、このあと移動して初めてわかったことであるが、見る店見る店次々に閉店していき、なかなかよさそうな酒屋が見つからなくなっていた。7時ぐらいにはもうどこも閉まってしまうかのような勢いで街が眠り始めていたのだった。

しばらくグルグルと回っていたが、運良く空いているパーキングが見つかったのでクルマを入れ、少し歩くことにした。
路地裏のパーキングから明るい方へ歩くと、そこはアーケード商店街になっていた。
いわゆる「天文館」である。

当時は知らなかったが天文館は有名なアーケード商店街で、観光名所的な存在でもあるようだ。だが知らなかったのでやけに活気のある商店街だなあというぐらいにしか思わなかった。
地の果てかと思っていた九州最南の町がこんなに華やかだとは意外だったし、何か異国情緒を感じて楽しい気分になった。
時間柄閉店した店も少なくなかったが、まだ人通りは多かった。
何ブロックか歩くとディスカウントっぽい酒屋を見つけた。閉店間際のようだが客は多く、店員も多かった。
店内は所狭しと酒類が並べられていたが、やはり焼酎が多いようだ。ビールのコーナーよりも大きなスペースが割り当てられてるぐらい焼酎が多い。種類も多ければ在庫も多い。
だが、魔王も森伊蔵もここにはなかった。
ないものは仕方がないので、あるものを買ってしまおう。おそらくあと10分程度で閉店になってしまうだろう。
ざっと見たところ兼重という芋焼酎が売れ筋のようだ。とりあえず1本はこれにしておこう。もう1本はどうしようかと眺めていると、
「大魔王」
という焼酎が目に付いた。目に付いた時点で決めた。明らかにパクリであるが、大魔王様なので魔王よりも強かろう。いいじゃないこれ。
(島美人もあったのだが選ばなかった。今考えると無念である)

これらは贈答でもなんでもないので簡単に袋に入れてもらって店を出た。この当時は特別焼酎好きでもなかったのであっさり退散したが、もし今の俺が鹿児島に行ったら丸三日は焼酎のためだけに滞在することになっていただろう。これについては心残りである。

7時を回るととっぷりと日が暮れ、街は夜になる。鹿児島の街は何か暖かい光に満ちていて俺は好きになった。どこか仙台に似ているような気がした。

クルマに戻って酒を積み直し、いよいよ九州脱出である。
タイムリミットは午前3時。目的地は大分・佐伯港。経由ルートはすべて一般道。
そして俺の体力はもう限界寸前なのであった。
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by naminos | 2005-01-07 12:13 | 連載
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