横浜FCと横浜FCと横浜FCとあと横浜FCなんかに関して書いたり書かなかったりします。ほかの事を書くこともあります。
by naminos
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十三日間日本一周 drive07 2nd day 駅前にて
関門橋を越えるとすぐに高速は北九州方面へ分岐した。もう22時を過ぎようとしていたが、この辺りに来ると割りと交通量が多くなってきた。ナビ上では北九州市に入るあたりだ。街の明かりが見えてくる。思った以上に大きな街で少々驚く。
思えば地元を出てから鳥取島根山口と来て名古屋辺りを高速で抜ける以外はあまり大きな街はなかったし、夜景で見るとより一層大きく見える。港の規模は大きいのでそれもまた規模を大きく感じさせる要因なのかもしれない。ともかく、思っていたよりも大きな街だったのは確かだ。

しばらく北九州の東側を高速で抜ける。若松のICは街の西側に位置する。北九州という街は、中央部を大きな河が通り、東西に二分されていて、いくつかの橋がそれらを繋いでいるような構造になっている。見たところ東側の方が栄えているようだ。若松側はどちらかというと郊外といった感じのたたずまいである。

ICから一般道へ出てすぐに若松駅があった。22時30分ごろ駅前に到着した。あまり大きくない駅だがロータリーのようなものはあるし、駐車場もあった。まだ深夜には早い時間なので、人通りもそれなりにある。またすぐ先のメイン通りは結構交通量があった。

ひとまず到着した旨をメールする。しばらくして返事。

篠田>着いたの?マジで?
俺>マジ。つーか今どこ?
篠田>家だよー

・・・・。んー。とりあえず北九州まで来たし、このまま先進もうかなー。少し迷ったが、とりあえず返事を。

俺>駅までどのぐらいかかる?
篠田>駅まではすぐだよ
俺>じゃ待ってるから。10分ぐらいで着く?
篠田>まだ支度してないよー

・・・・・!。えーっと。んーっと。思えばまだ飯食ってなかったなあ。うーむ。女にこんなに悩まされたのは久しぶりかもしれない。それにしても眠いな。湯田の仮眠の効果はもう切れてしまったらしい。

俺>とりあえずクルマで仮眠とってるから、駅についたらメールか電話くれ
篠田>うんーわかったー

とりあえず来るってことか。まーいい。俺は寝る。眠りたい。







目覚めるとすでに日付は変わっていた。着信履歴はない。とりあえずメールしてみる。

俺>今起きた。もう来てる?
篠田>まだ家だよー。ねー本当に会うの?

・・・・・。朝までこのまま寝るか・・・・。

俺>いや会いたくないなら俺は夜のうちに福岡行くだけなんだけども
篠田>私はいいんだけど、会うと後悔するかもよ?
俺>そんなの会ってみないとわからんだろに
篠田>絶対後悔するって
俺>イヤならイヤとはっきり言ってくれたら俺だって無理にとは言わないってば。どうすんの。来るのか来ないのか
篠田>とりあえず行く
俺>じゃ待ってる。駅まで着いたら電話して。どのぐらいで来る?
篠田>10分ぐらい

支度はできていたらしい。しかし、チャットの時は気軽に会う会う言ってたのにいざとなるとこのガードの固さとは。少し意外に思いながらしばしすっかり人気のなくなった駅前で彼女を待った。

よく会話は交わしていたが、実のところ本人についての詳しいことを知っていたわけではない。チャットで本人が言っていることはだいたい聞いて(読んで)いたが、個人チャットはあまりやっていなかったので、表向きの篠田(仮名)というキャラについてしか知らないのかもしれなかった。
写真はもらって見ていたのでたぶんわかるだろうし、ケータイもあるので待ち合わせはあまり気にしてなかったのだが、こんな展開になるとは予想外だった。
正直、篠田という人物には惹かれていた。何しろ発想が面白い。俺の考え付かないところで発想する人間のようで、何気ない会話の一つ一つが面白かった。確かに一般常識や学校で習うような知識は疑わしいところが大いにあるのだが、そんなものよりもっと面白いことを多く彼女は知っていたし、学校の成績(当時は学生ではないが)は、他のチャットメンバーや本人の話を聞く限りではけしてよくはなかったらしいが、そんなお仕着せの価値基準では測れない独特の知能の高さを感じていたのだった。
なので本人にはぜひ会ってみたいと思っていたのだ。

本当に10分ほどしてメールが着信した。

篠田>駅前だけど
俺>どの辺?俺は北側のロータリーの駐車場だけど。紺のワゴン
篠田>北側ってどっち?

たまらず電話を入れた

「もしもし?」
『もしもし。』
「いまどこ?駅のどっち側?」
『本当に会うの?』
「まだ言ってるのかー。ここまで来て会わずに帰れるか」

後にして思えば「会いに来た」わけじゃなかったな。俺って嘘つき。ついでといえばついでだった。ただまあ用が無ければこの駅までは来なかったので会いに来たと言ってもあながち嘘ではないか。

『ほんとに後悔するからやめたほうがいいよマジで』
「そんなこと言われると怖くなるな」
『今なら間に合うよまだ』
「しかしどう後悔するか試してみたい気はする」
『知らないよ。ほんとに』
「で、どこにいるの今」
『駐輪場の方』
「駐輪場?どこだそれは。今駐車場なんだけどどっちの方?」
『わからない。○○駐輪場って書いてある』

あたりを見回すがそれがどこかわからない。この位置からは見えないようだ。電話を繋いだまま車から降りる。会話をしながら駅舎の角を曲がると、少し先に駐輪場らしいものがある。が、人影は無い。

「駐輪場はあった。どこにいるの?」
『近く』
「んー?」

駐輪場の前までいくとその正面に路地があって、彼女はそこにいた。

「いた」
『いたね』

僕たちは電話を切った。

つづく
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by naminos | 2004-11-30 16:18 | 連載
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